
世界中でブームを巻き起こしたゲームシリーズに登場する架空のキャラクターデザインを手がけるイラストレーター。その他ゲームでは『ドラガリアロスト』メインイラストレーター、『ウマ娘プリティダービー』キャラクターイラストなどを担当。漫画『グラップラー刃牙』では着彩を担当、スピンオフ作品『バキどもえ』の執筆など漫画家としても活躍。
第一線で活躍するプロのイラストレーターが、学生の作品を添削する特別授業。プロからの目からウロコのアドバイスを受けて、制作意欲もさらに高まる!
さいとうなおき先生
「自分で描いてみたいキャラクターとその世界観」をテーマに自由に創作してもらう授業です。審査員やクライアントなどプロに選ばれるためにはそれぞれの作品でどんなところに気を付けるべきなのか添削します。大事なのは、描こうとしているイラストをどう演出するかしっかり決めること。コミカルなものなのか、ちょっと怖いものなのか、世界観を決めてそれを伝えるようにすること。それがしっかりできていれば、笑ったり、怖がったり、見ている人の気分を動かすことができますよ。また例えばコミカルなものを描きたいのであれば、世の中にあるコミカルなものを、「なぜコミカルに見えているのか」とじっくり観察してみてください。きっとたくさんのヒントを発見できるはずです。
ラフの時点では先生から食事を主役に美味しそうにすること、空と海を描いて抜けを出すこと、という指摘を受けました。
料理も美味しそうで見ていてなんだかお腹が空いてきました!もっと楽しげなイラストになる4つのポイントをお教えしますね!
料理をもっと美味しそうに見せるため、テーブルの隙間を埋めてみましょう。皿や肉を大きくこれでもかとデフォルメしてOK。テーブルが賑やかになり料理がイラストの主役になりましたね。
縄と船の柱を太くしてここが船であることを強調。また海の向こうに船を描くことで、この世界に他にも人がいることを感じさせられて、よりイラストが賑やかになります。
ウエイターの白いシャツが目立っているのですがあくまで脇役なので、視線を誘導する必要はありません。白のコントラストを下げて存在感を薄めると料理が立ってきます。
ファンタジーを感じさせるイラストなので小物もその世界観のまま描いてみましょう。白いお皿ではなく、木製のお皿にしてみると、イラスト全体と雰囲気が合ってくると思います。
先生にストーリーを考えれば背景が思い浮かぶではと指摘を受け、部室のような場所を描き込んでみました。
実際に背景を入れてみると人体のパースが曲がっていたことに気がついたので、その修正も行いました。
背景を描くことで人物にも動きが出ましたね。手前の子が体をくねらせている感じもいいです。あと少しだけ背景や小物にこだわってみましょう!
例えば本棚にキャラが集めたのかなと思わせる人形を描いてみるなどすると、キャラの性格も伝わりやすくなります。背景を描き込むことに楽しさを見出してみましょう。
人はどうしても直線に目が行ってしまうものなので、このイラストも本棚の線が目立っています。植物を入れて直線が見えている部分を少し隠してみるのはどうでしょう。
後ろのドアを立体的にして植物もしっかり描き込んでみると、部屋の雰囲気が出てさらに天井が高いのもわかります。どんな空間が広がっているのかディテールを描き込んで伝えましょう。
猫を足したのはいいですね。ただ下から煽っているという構図的で、下部分に目線がいきにくいので、猫の背に光を当てて「猫もいるにゃ」とちょっとだけ主張してみましょう。